人事異動

人事考課といい、異動といい、深く考えると管理職というのは大変な、そして大切な仕事を抱えているものですね。

 

人事異動が上手く機能している会社はどのくらいあるのでしょう?
プロジェクトなどによる会社や組織の都合、本人の希望、ジョブローテー ション・・・
さまざまな理由での人事異動が発生する。
私の経験を含め、周りから見聞きした限りでは、人事異動が戦略的に行なわれて組織や本人にとってプラスに働くケースのほうが少ないように感 じられる。
多くの場合、実質的な人事権を持つのは各部門における部門長であり、人事部ではない。
従って、その部門に不都合な人事異動には応じられないという部門の主観が影響してしまうのが現実問題なのかもしれない。
実際の異動に際しては、判断をする者が「自部門」を優先するのか、「個人」なのか、それとも「会社」なのかという部分に集約してしまうのではないだろうか。
具体的には、「自部門」を優先した場合、保守的になり、優秀な人材を 放出するリスクを取れない。 従って、「そこそこ」のレベル、ひどい場合には「影響の無い」者が異動の対象になってしまう。
「個人」を重視する場合には、本人の希望と異動した際に得られる知識や技能を充分に吟味したうえで異動者を決定することになるであろう。
最後に、「会社」を優先する場合だが、これは異動をマクロ的な視点で捉え会社という組織としてみた場合、異動先に最適な人材をピックアップすること になる。 この場合、当然ながら本人の希望には沿わない可能性もあるだろう。
他にも要素はあるであろうが、主な要因は上記の3つに集約されるのではないだろうか?
保守的な日本の大企業では、やはり部門の安定を妨げる要素を排除したがる傾向にあるため、どうしても最初の要素が大きく影響しているように感じてしまう。
この線を超えることが出来る管理者がどのくらい存在するかにより、その組織の将来の成長度も変わってくるであろう。
実際には、3要素を上手く組み合わせて総合的に判断する必要があると考えられるため、管理職には、こういう部分も含めた総合的な能力が必要と されるのではないだろうか。

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